今日、人間関係の希薄さからくる諸問題が社会を揺るがせています。教育機関では学校カウンセラーの設置やゆとりのある教育カリキュラムの見直しなどが進められていますが、青少年の成熟遅滞の傾向に歯止めがかかる様子はありません。その背景には座標なき大人社会が横たわっています。これらの根本的解決にかかわるため、ライフスキル研究所では次の3つを活動のテーマとします。
1.芸術や創作を通した人間形成の支援 2.自己と他者をともに尊重する生き方のスキルの探求 3.すべての人が人権を尊重される公平な社会の実現 子どもの問題は大人の問題と言われますが、現在子どもに現れている諸現象―例えば集中力の欠如、傷つきやすさ、暴力性、刹那性など―は、大人の生き方の未熟さと相関関係をなしており、社会全体に蔓延する人権感覚の欠如を問題としていることは明白です。時代は、人々が生き残るための新しい考え方・生きる技術を必要としています。当研究所では、主にアートや心理セラピーを用いた心と体の健康に対するサポートを通して子どもと大人のよりよい関係のあり方を探求し、未来を担う子どもたちの健全な成長と人間的な社会の実現のために、人権を重んじた相互関係を築くためのスキルの提唱や、子どもや大人が楽しみつつ自我を強化し、しなやかにたくましく生きていく術を身につけるための自己確立の場を提供します。さらに、真に公平で生きがいのある市民社会の実現を求めて活動を展開する人々を支援するための事業を行います。また、これらの諸問題には本質的に国境がないことを認識し、海外の関係機関との連携や協働を進めていきます。 これまでの教育における最大の問題点は、知識の伝達やしつけの面での指導はなされるけれども、「私は個人としてどう生きるか」ということについての語り手や聞き手がいなかったことです。当研究所では、より自分らしい生き方を真剣に模索する人々、自分や他者の魂に栄養を与える必要を感じる人々のかかわりを得て、人間の幸福追求への真摯な欲求を是とし、次世代に希望を手渡すために、すべての人がその人権を尊重され、充実した生をまっとうできる社会の形成に寄与することを目的にします。 以上の目的の達成に向けて、これまでの任意団体としての活動から脱皮し、組織の枠組みを広げ、市民公益活動に関心がある方々を集結し、永続性のある活動を推進するため、法人格の取得を必要とします。 | ||