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NPO法人ライフスキル研究所
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symbol 絵はおしゃべり〜子どもが語る絵のはなし
子どもたちは まだ言葉にならない心の混とんを語る 
もう一つの言葉をもっている


子どもの絵は、言葉にならない言葉の宝庫―これは、私どもが一貫して訴え続けていることです。しかし、そうはいっても、どのようなポイントに注目すれば、絵から子どもの声を汲み取ることができるのか?講演会などで、そのような質問を受けることが少なくありません。また、わが子の描いた絵を見て、何か問題があるのではないか?と不安になる保護者の方もいらっしゃるようです。このビデオでは、子どもたちからの聞き取りを踏まえた上で、彼らの心の状態がどのように絵に現れているかに焦点を当てています。

モチーフ、色使い、サイズ、タッチ・・・すべてが、子どもの心の状態を物語る大切な要素です。それらに丹念に光を当てていくことで、子どもの心に近づくことが可能となります。そのプロセスを、教室の子どもたちの作品を取り上げながら、ステップを踏んで具体的に解説しています。これをご覧いただけば、もう子どもの絵をただのらくがきとして見過ごすことはできなくなるでしょう。ただし、ここが勘違いしてはならないところですが、大切なのは、絵だけを見て大人が一方的に子どもの心理を「推理」することではなく、その絵を一つのきっかけとして子どもとじかに話し合うこと、とりわけ子どもの言い分に耳を傾けることです。そして、子どもの内なる「心の声」を「言葉」として明るみに引き出してやることこそが大事なのです。絵は、そうした場を用意してくれる極めて有効な手がかりの一つであるということです。

子どもの精神の荒廃が、もはや日常の風景の一部となってしまったかのような昨今、地味ではあるけれども、実は雄弁に子どもたちの内面を物語る、らくがきのような絵に目を向けてみることは、決して時間の無駄ではありません。子どもたちは、実はそれほど複雑なことを望んではいないのです。ぼくの、わたしの言うことを、本気で聞いて―彼らはただ、ひたすらそう願っているだけのようにも思えます。大人がすべきことは、子どもたちが聞いてほしいと願うのと同じ熱意をもって、子どもの声に関心をもち、耳を傾けることでしょう。このビデオが、そうした建設的な親子関係、大人と子どもの関係づくりの一助となることを願ってやみません。
(ライフスキル研究所理事長・小村チエ子)