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NPO法人ライフスキル研究所
メッセージ

                          理事長 小村チエ子

 ライフスキル研究所は、初期から数えて30年地域でアート活動を続けてきました。他者との関係の中で自分らしさをもちながら生きることを願う人、親子の関係に悩む人々のため、心のエネルギーを高め元気になるアート遊びや自己表現を推進するNPOです。現代社会の病巣といえる人間関係の希薄さ、つながりの切れた地域社会の問題に、アートを通してコミットしています。

 事業ごとに独自なスキルを開発してきましたが、4年前から手掛けている「子どもの絵からのメッセージ」事業は、子育てに悩む若い親を対象に、親子の相性をチェックする描画シートを使用し、描画から見える相性についてのメッセージを送る支援をしています。子育てが楽しめない、あるいはもう少し自分に自信のもてる子育てをしたい、と悩む方々に気持ちのゆとりをもたらす異色のスキルとなっています。

 親子関係に関心を抱いた背景には、はるかな昔、母と兄の強い葛藤をまじかに見た経験があります。親子の愛憎のもつれは、人の一生を支配する力をもっているのを理屈ではなく、皮膚から吸収したのです。「あの子が好きになれなかった。気難しくて、いつも困らされるばかりだった」。兄の死後、明治生まれの母が私にそっと語った言葉が、私の心で通奏低音のように響き続けています。私は、これと同じ言葉を犯罪少年の親が口にするのを、事件の記録書などで目にしています。

 私の母と兄は善良で、ともに粗暴とは言えない知的な人たちでした。どちらとも親密だった私にとって、ささやかな行き違いからな怒りが生まれ、ブレーキのかけれない二人の関係は謎でしかなく、人間というものに深い疑問をもたずにいられませんでした。この疑問は消える事なく私の中に居座り、謎の正体を見極めたいという衝動が現在の私の活動を支えるネルギーとなっています。親と子が、自ら理解のできないある種の衝動に支配され、不幸な関係を作り上げてしまうことがあります。そのようなことが少しでも緩和できるシステムを作りたいという願いは、自らの体験から生まれました。

 親子関係が何となく「ぎくしゃくするなぁ」とか、「困ったなぁ」と親が意識し始めた頃に、すぐにライフスキルをたずねてください。あなたのために必要なスキルをご用意します。